2009年7月12日日曜日

人もおだてりゃ空を飛ぶ その1






● 人もおだてりゃ空を飛ぶ



 ヒマになると、小指にポケットカメラをひっかけ、クリークに出かけて鳥を撮っている。
 が、空を飛ぶのはなにも「鳥」だけではない。
 CMで「ブタもおだてりゃ木に登る」というのがあった。
 現在は「ブタもおだてりゃ空を飛ぶ」。
 内海では「紅の豚」が飛んでいる。
 「トーン」と。

 おだてに乗りやすいのが人間のサガ。
 いとも簡単に、オダテにつられて空を飛ぶ。
 「空飛ぶ人間」ならなんといってもこれ、「鳥人間コンテスト」
 例年ならこの夏に行われているが、今年は緊縮財政のあおり「中止」とのこと。
 残念至極。
 でも来年は開催が決まっており、参加者はみなみな張り切っているようです。
 
 Wikipediaで見てみましょう。

鳥人間コンテスト選手権大会

 1977年に滋賀県近江八幡市の宮ヶ浜水泳場で第1回が開催されて以降、毎年7月に滋賀県彦根市の琵琶湖を舞台に開催され、1980年(第4回)以降は同市内にある松原水泳場を会場としている。
 その模様は、読売テレビ制作・日本テレビ系列で全国ネットの特別番組として放送されている。
 初期のころのテレビ放送では、タイトルの頭に「飛べ、栄光の大空へ!」というキャッチコピーが付けられていた。
 当初は『びっくり日本新記録』内での1競技として第1、2回が放送され、第3回から単独番組となった。
 なお第1回は「鳥人間コンテスト日本大会」、第2~4回は「鳥人間コンテスト世界大会」というタイトルだった。
 2009年は、読売テレビの広告収入の赤字と地デジの設備投資などに伴う全社的な経費削減を理由に開催を休止するが、2010年は開催予定。
 全面休止になるのは 1997年の 台風9号直撃のため初の競技全面中止になって以来12年ぶりとなる(天候が原因ではない理由での全面中止は史上初)。

  『鳥人間』は読売テレビの登録商標である。


 サイトに「毎年必ず見るもの」という書き込みがある。
 「箱根駅伝、鳥人間コンテスト、そしてロボコン」というのがあって、したりとニンマリしてしまった。
 好きな人は、トドメもなく好きだ、ということなのでしょう。
 日本からビデオを送ってもらっていた時代があった。
 お好みは「クレヨンしんちゃん」に「ハンターХハンター」「特命リサーチ200x」であったか。
 ある年のことである。
 届いたビデオをセットして見始めた。
 とんでもないことが起こった。
 ただただ、手を握り締めて、画面に見入ってしまった。
 「ウーン!」
 それがこれ。

 勝手にパクリます。

「鳥人間コンテスト出場」日記  飛べ、栄光の大空へ!
http://user.cnet.ne.jp/t/takasada/tori/tori_index.htm


● 琵琶湖を爽快に飛ぶ人力飛行機

「鳥人間コンテスト」とは、読売テレビが毎年7月下旬に、琵琶湖東岸の彦根市松原水泳場で開催している大会(鳥人間たちの祭典)です。
この大会の模様は毎年テレビ放送されていますので、皆さんもご存知だと思います。
もう20年以上も続いている長寿番組です。

「雲のように雄大に、そして鳥のように自由に、この大空を飛んでみたい。
空の青さに染まり、一陣の風にただよい、一羽の鳥と化す。
この素朴にして壮大なるロマンの追求こそ、鳥人間コンテストの精神なのであります。」というキャッチフレーズで番組が始まります。

一般の参加者(鳥人間たち)が手作りの飛行機を作ってきて、高さ10メートルのプラットホームから飛び立ち飛行距離を競争する大会です。
毎年参加している常連チームもいて、年々飛行距離は伸びています。

出場部門は滑空機(グライダー)部門と人力プロペラ機部門に分かれます。
滑空機(グライダー)部門とは、プロペラを使わずにグライダーのように滑空して飛行距離を競います。
人力プロペラ機部門とは、パイロットがペダルを漕いでプロペラを回して、その推進力で飛行して飛行距離を競います。


● プラットホームから飛び立つ人力飛行機

プラットホームから安全に発進できる自作の人力機ならば、翼幅、全長、重量などについて制限は一切ありません。
滑空機、人力飛行機、人力ヘリコプター、人力羽ばたき機など何でもかまいません。

1998年の大会では、人力プロペラ機が飛行距離「23km」という大記録を達成し、鳥人間たちの長年の夢であった「対岸」に、たどり着きました。

「人力飛行機」という言葉の響きに、魅力を感じませんか?
「自分の力だけで大空を飛びたい」というのは大昔からの人類の夢です。
それを実現してくれるのが「人力飛行機」です。
自転車にでも乗るような感覚で「人力飛行機」に乗って、みんなが大空を飛べたら良いですね。

世界的には、115kmの距離を4時間もかけて飛んだ人力飛行機や、イギリスとフランスの間のドーバー海峡(英仏海峡)を3時間かけて横断した人力飛行機もあります。

私達はこの「鳥人間コンテスト」に2回出場しました。
1回目は人力プロペラ機部門に、2回目は滑空機(グライダー)部門でした。

この時の様子を紹介します。
第1回目出場「人力プロペラ機部門」
第2回目出場「滑空機(グライダー)部門」


 このビデオ、1998年に「23km」というとてつもない記録を達成したときのビデオだったのです。
 「23km」ですよ。
  どのくらいの距離かというと、ハーフマラソンの距離より長い。
 鍛えられたマラソンランナーは21kmをだいたい1時間で走る。
 それよりも長い。
 着水したときは、「フー」と息がもれ、肩が落ちました。
 それほど緊張してみていたということ。
 ついでにその栄光の機体もパクリます。
 

<鳥人間コンテスト>

人力(じんりき)プロペラ機部門(きぶもん)
  飛んだ日: 1998年8月1日
  (第22回鳥人間コンテスト選手権大会)
  飛行機名(ひこうきめい):
        極楽(ごくらく)トンボ号(ごう)
  パイロット: 中山浩典(なかやま ひろのり)
  飛んだ距離(きょり): 23,688m

   
● 栄光の「極楽トンボ号」 


 構造はというと、人が乗って自転車のようにペダルをこぐ。
 これが、小さなプロペラを廻し、前に進む推力を生み出す。
 よって、こぎ続けないと、飛行機は墜落する。
 一時でも休んではならない。
 疲労が発生しないように、常に一定のペースで「休みなくこぎ続ける」、ということが眼目である。
 では、空中に浮き上がっている力、すなわち揚力はというと、この飛行機が前飛ぶことで、大きな翼の上と下を流れる空気の流量の差で生み出す。
 ということは、翼の大きさが大きいほど揚力が大きくなる、ということになる。
 が、あまり大きな翼は脆くポキリと折れる。
 まとめると、
〇長時間一時たりとも休まずこぎ続ける操縦者を養成すること
〇できるだけ大きな面積をもつ翼を作り出すこと  
 これを最大課題にして、多くのグループが年に一度の大会を目指して訓練研究に励み、挑戦してくるのである。

 鳥人間コンテストの風景をビデオで。

鳥人間コンテストの風景
http://www.youtube.com/watch?v=XvJM_-aLIp0

鳥人間コンテスト1,2
http://www.youtube.com/watch?v=5kv-JiamsUQ&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=oz1Qe15ZY4Y&feature=related


 この23kmというとんでもない記録は参加者たちのチャレンジ精神を一段と燃やし、かきたてました。

 そして、たった5年後の2003年に日大チームが「34.6km」という、もうもう開いた口がふさがらないような記録を達成してしまう。
 
 こりゃいかんと、規則が改正される。
 Wikipediaから。

【折り返しルール】

従来はプラットフォームから着水地点までの距離が記録となっていたが、第27回(2003年)に人力プロペラ機部門で日本大学理工学部のサークル・航空研究会のMowe20(メーヴェ20)が約34kmという現会場での事実上の限界記録(松原水泳場→琵琶湖大橋間)を出した。
この際の経緯は以下の通りである。

* まず東北大(この年3位)が進路を北に向け対岸まで達したが、安全を考えそこで着水させた。
* 本チームは、1位を狙って南へと進路を向けた。
* 本人たちは琵琶湖大橋の下を潜ろうとしていたが、着水させるよう勧告が出た。
* 本人は納得がいかず旋回を続けたが最終的に説得に応じ着水(琵琶湖大橋超えを行った場合や勧告無視の場合は、本来は規則違反で失格となる)。
* その後に東工大も同様に南へと進路をとり、1位には及ばなかったが2位。

 このように明らかに問題のある進路設定になっため、翌第28回(2004年)からはルールが変更され18kmで折り返しするというルールが制定された。
 18kmを超えると大音響のサイレンが鳴り、折り返しが可能になる(これにより往復で36kmが最長記録として出せるが、スタートで再度折り返しできるかは不明。
 第32回(2008年)の大会ではスタートで折り返しを行わず着水した)。
なおこれは折り返しを義務付けるものではなく、従来通り琵琶湖大橋や琵琶湖北端に向かうことも可能である。
 この場合の記録は、単純にプラットフォームからの距離となる。
 当然、大橋越え(潜り)や地上飛行は失格となるため手前で飛行を打ち切らなければならないので折り返した場合より最長記録は短くなる。
 しかし気象条件などにより折り返しはリスクが高い可能性もあり、参加者の判断が勝敗を左右することになる。


 折り返しというのは、条件がひじょうに悪くなる。
 気象状況で一番悪いのは雨。
 何しろ広ーい面積を持つ翼さ。
 そこに雨が落ちれば、機体を押し下げる力となって働く。
 水滴がつけばその分、機体が重くなる。
 何しろ軽く軽く、さらに軽く作るのが機体設計の根本。
 雨水の重さとてバカにならない。
 次は風。
 何しろ軽い機体。
 ちょっとした強風でもバランスを失う。
 心地よい向かい風が絶好の風向き。
 が、折り返すと好条件が悪条件に変わる。
 機体のスピードと風の速度が同じだと、推力を奪われ、機体は有効に飛ばない。
 それが一般常識論。
 折り返すと往復で36km。
 これはチョット無理。

 ビデオを。

 第32回(2008)鳥人間コンテスト
http://www.youtube.com/watch?v=IOMrnyO3YC4&NR=1


 その2008年のビデオを載せておきます。

早稲田大学
http://www.youtube.com/watch?v=2Zb8Chzygb4&feature=related
芝浦工業大学
http://www.youtube.com/watch?v=IYqpsFlV8xM&feature=related
大阪府立大学
http://
www.youtube.com/watch?v=knP2fXpO78Y&featurlated
名古屋大学
http://www.youtube.com/watch?v=nNa_xO58mMQ&feature=related
筑波大学
http://www.youtube.com/watch?v=pQ4pRbfbrp8&feature=related
龍谷大学
http://www.youtube.com/watch?v=iIQ4xAnVv8U&feature=related
首都大学東京
http://www.youtube.com/watch?v=hG_U1Tlr860&feature=related
広島大学
http://www.youtube.com/watch?v=ysZUJ_ERrhQ&feature=related


 この年、といっても昨年、この記録がいともアッサリと出現したのである。
 行って帰ってきた記録「36km」が。
 コンデションに恵まれた片道コースの36kmではない。
 これも、もうもう別の意味で、とんでもない距離。
 そのビデオをどうぞ。

東北大学 Windnauts 36kmゴール[鳥人間コンテスト2008]
http://www.youtube.com/watch?v=uZKsx4h-u8U&NR=1


 いったい、人間はどこまで、オダテに乗って空を飛ぶのだろう。


 グライダー型では

津田沼航空研究会
http://www.youtube.com/watch?v=Y6PkwYUAs0U&feature=related



 「鳥人間コンテスト」と入力して検索してください。
 大部のサイトが出現します。
 たくさんの You Tube があり、いろいろな鳥人間の Video が楽しめます。
 楽しんでください、思う存分。


 <つづく>



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